最近、こらいずに小さな図書コーナーができたことをご存じでしょうか?
専門書風の本もあれば、保護者の皆様に見てほしいなと思って新たに購入した本もあります。子育てのヒントになるような本を選んだつもりですので、機会があればご覧ください。簡単なレビューなんかも書いて紹介できたらと思っています。
ところで、保護者の皆様に見ていただきたいこれらの本ですが、多くの書籍で表紙、タイトルに「発達障害」という表記があります。どういう種類の本なのかわかりやすくするためにそうしているのでしょうが、これでは親にとっては手にしずらいですよね。「自分の子が『発達障害』だと認めるようで…」「こんな本、家に置いといて子どもが見たらなんて思うだろう…」本当に察します。
でも、これらの本には幼児期、学齢期、そして高校生から青年へとどう育てていけばいいのかといったヒントが多くあるのです。
少し難しい話になりますが、“Developmental disorder”の”disorder”は「混乱・乱雑」という意味で、直訳すると「発達が混乱している(偏っている)」となるはずですが、なぜか日本語に訳したときに『発達障害』としたようです。この呼び方には以前から「症状(特性)があるだけで「障害」とするのは誤解を招くのではないか」という声もありましたが、長く使われていたためすっかり定着してしまいました。しかし5年ほど前、アメリカ精神医学会が診断基準を見直した際に(DSM-5)、日本精神神経学会がこれらの日本語訳を見直したのです!!
「発達障害」 → 「神経発達症群」
「自閉症スペクトラム障害」 → 「自閉スペクトラム症」
「注意欠陥多動性障害」 → 「注意欠陥多動症」
「学習障害」 → 「限局性学習症」
ざっくりいうと「どちらを使ってもいいですよ」ということのようです。
正しく知りたい方は、日本精神神経学会のホームページをご覧ください。
ただ、呼び方が変わっただけと思われるかもしれません。しかし、例えば集団でうまく振舞えない特性だけで「障害」と言うのではなく、「確かにそういう特性(症状)はあるよね。でも、この子なりにうまく適応できるように育てよう。そうできれば「障害」なんかじゃない」と考えています。
この考え方の背景にあるのは、浜松医科大学児童精神科医の杉山登志郎教授が提唱する考えです。
<発達凸凹+不適応=発達障害>
「発達凸凹」というのは、子どもの個性、特性だったり症状と言えるかもしれません。でもこれだけで「発達障害」になるわけではないく、「発達凸凹」に「不適応」が加わるから「発達障害」になる。そういう考え方です。「発達凸凹」は子ども自身の特性ですが、「不適応」は実は大人が作る環境要因の影響が大きいのです。
「毎日叱られる」
「この子だけ特別扱いはできない」
「授業がさっぱりわかんないからもういいや」…。
こんな状況にならないように、保護者を含めた子どもに関わる大人が子どもの特性を理解しあい、共通認識の下でその子に関わり育てていく、それが大切だし大人の責任だと思っています。
これを実践するのは難しいことかもしれませんが、人口の少ない田舎町鷹栖町ならできるかも?
そう思って取り組んでいます。でも中々理想通りにはいかず。
お父さん、お母さん、保育園・幼稚園・学校の先生、役場職員の方とも連携して、一人の子どもを育てていく、そういうことができたらいいなぁと思ってます。
でも… 期待しすぎたらだめですよ。
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