こらいずを立ち上げるのには、私の中でいくつもの思いや願いがありました。それを語りだすと終わりがありません。その思いの一つが、「そら」です。
そらは年上の息子のことが大好きで、「たんたらもっち」(放課後児童クラブ)では、いつも「そーしゅん、そーしゅん」と言って一緒に遊んでいたようです。そらは、人なつっこくて明るく優しい男の子。でも、そらにはひとつ困ったことがありました。読み書きがとても困難だったのです。心配したお母さんは療育センターを受診し、私が作業療法を担当しました。身辺処理能力や対人スキルは全く問題がなく、将棋で私を負かすほどの思考力もあります。少々おっちょこちょいな所があるものの、ごく「ふつうの男の子」。そらは小学生になるにつれ、ひらがなや漢字がわからないことに気付いたようです。「俺バカなんだ」「みんなと一緒に勉強したいけど…」ボソッとつぶやきました。
「自分の息子のことを大好きでいてくれる、そらのことを何とかしたい」そう思ったものの、当時公務員だった私は特定の子だけ…ということにはならず。これが起業を思い立つひとつになったのです。
「そらをなんとかしたい」
そらは、こらいず開設後すぐに来てくれるようになりました。でも当時小学6年生。まだ、自分の将来を考えるということには当然ならず、「将棋したい」「疲れたから今日はゴロゴロする」と、こらいずは遊びにくる場と思っていたようです。
中学生になって、「部活を休んでまで来なくていいよ」と伝えると、こらいずに来るのはせいぜい月に1回。それでも、自分の進みたい道を考えてもらうために、幾度となく「どんな高校に行きたい?」と問いました。彼は「みんなと同じ高校がいい」「(高等支援学校は)頭の悪い人がいくんでしょ」「でもムリなのかなぁ」 …揺れているのがわかりました。
そらは、中学3年生の6月、部活を引退してから変わりました。自分はどんな高校に行けるのか、どこがいいのか、本気で話すようになりました。おそらくご両親や進路指導の先生のアドバイスがあったのでしょう。そうして10月、そらが「愛別(高等支援学校)に行く!」と宣言して、「こらいず予備校」(笑)が始まりました。高等支援学校の過去問をダウンロードし、関連問題を用意して、12月からは週3回位来所してはテスト問題に取り組みました。大好きな将棋は封印。彼は自信と不安を繰り返しながら本当に頑張っていました。午後6時を過ぎて帰る日もありました。
入試当日はテスト時間が短くて思ったとおりにならず、「もうダメだぁ」と言っていたそうですが、みごと合格! 「やったー!」と飛び跳ねていたそうです。彼の進む道がつかめるまでこらいずが応援できたこと、こらいずを開設した目標がひとつ叶ったかなと。
「そらをなんとかできたかな?」
3月で利用を終了する皆様へ
こらいずの子どもたちは毎70人を超えていて、利用人数を制限せざるを得ない状況です。このため旭川のお子さんには小学校入学時で、鷹栖のお子さんには中学校入学時で終了とさせていただいております。この原則を超えて利用を継続するお子さんもいますが、個々の事情によりますのでご了解ください。こらいずを卒業したといっても、それで関係を途絶えることはしません。困ったときはいつでもinfo@co-raiz.com にご相談してください。また、もう1年も開催できていない保護者学習会を再開する際には、ホームページでお知らせしますので、ご希望の方はお問い合わせください。遠方の方のためのオンライン聴講も検討したいと思います(技術的に自信がありませんのでお約束はできませんが…)
「事業所自己評価」および「保護者アンケート結果」のご報告
児童デイサービスを運営する事業者は、1年に1回「事業所自己評価」を実施することとされています。これに伴いこらいずでは1月~2月にかけて保護者様にアンケートをご依頼いたしました。 ご回答いただきました皆様にはお礼申し上げます。 保護者様からの評価・ご意見をもとに事業所としての自己評価をまとめております。 まとめた「事業所自己評価」および「保護者アンケート結果」につきましては3月31日にこらいずホームページに掲示しますので、お時間のある時にご覧ください。
この投稿(こらいず便りweb)は、利用者向け「こらいず便り」をもとに、
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