先月、十数年ぶりに結婚式に参列しました。若いカップルの新たな門出に立ち会えるこ とは、こちらにも幸せを分けてもらえているようで素敵な時間です。ただ、今回はそうもいきませんでした。新婦が娘だったのです。初めて着たモーニングは似合っているのかも定かでなく、いつか娘と歩いてみたいと思っていたチャペルの赤いカーペットは足取りが ぎこちない。なにより、披露宴最後の「花束贈呈」、娘が手紙を取り出し読みはじめようものなら、小さいころからの映像と重なって、わかっていてもまんまと罠にはまってしまうし…
それでも、娘夫婦の幸せそうな笑顔や、寄り添いあう姿を見ると、親として何とも言え ない安堵の気持ちが湧いてきました。今の時代ですから結婚がすべてではないですが、結婚を機にして「私たちの娘は最愛の人と新しい生き方を始めたんだな」と感じ、「自分の子どもであることはずっと変わらないけれども、もう一人の大人なのだ」。子育てのゴールがどこにあるのか、あるいはゴールなんてないのかもしれませんが、我が子を育て上げるという親としての責任に一区切りついたのかなと思っています。
ところで、「子育て」(または「子育ち」)という言葉は誰もが知っている言葉ですが、最 近、「子育ては親育ち」という言葉もよく目にします。人は自分の子どもが生まれた瞬間 (あるいは妊娠が分かった瞬間)から親になるわけですが、生まれたばかりの子どもと同じで何もわからない状態からスタートします。抱っこの仕方、沐浴の方法、𠮟り方、親としての心構え… 母の母に教えてもらったり、育児書や web で調べたり、すべては手探りだったりではないでしょうか? 「子育て」は子どもだけの育ちではなく、親も一緒に育っていかなければいけないよということでしょう。感情的に子どもを叱りつけたり、子どもの要求に負けてなんでも買い与えたり、ほかの子と同じようにと無茶な練習をしたり、 このような失敗経験はよくあることです。こういう時は誰かに相談してみことをお勧めします。乳児期であれば保健師さんや子育て支援センターの先生に、幼児期は保育園・幼稚園の先生に、学齢期は学校の先生や児童クラブの支援員さん、今年秋に開設する鷹栖町こども発達支援センターもいい相談先になるでしょう。もちろん、こらいずに来ていただいてもOK です。自分の心配事を打ち明けてみる、誰かのアドバイスを試してみる、これも親育ちになることでしょう。親育ちのために、ぜひ実践してみてください。
と、偉そうにお伝えしたものの、我が家では「パパが一番俺様だよね」と言われていて、 自分が親としてちゃんと育ったのかは疑わしいのですが。

みなさま、はじめまして。
4月からこらいずでお仕事をさせていただいています、高木亜紀と申します。
これまで31年間、北海道立旭川子ども総合療育センターで理学療法士としてお子さんの運動発達を促すお手伝い、特性に合わせた体の使い方や自助 具の助言などをすることで、日常生活を自分らしく送るための支援をしていました。保護者さまから、運動面は特に心配していないけれど、幼稚園や学校では「落ち着きがない」「ちゃんと座っていられない」「不器用」と指摘されるというお話を聞くことがありました。その要因の1つとして、身体を速く動かすことは得意でも、ゆっくりとバランスを取る活動や姿勢を保持するための筋肉の使い方が苦手という場合があります。身体の筋肉が上手に使えると、座ること、手を使うこと、落ち着いてお話を 聞くことなどに繋がるため、理学療法士の専門性を活かしたお手伝いをさせていただければと考えています。私は、保護者さまとのコミュニケーションを取ることも楽し みの1つなので、些細なことでもお話しに来てくださると嬉しいです。これからよろしくお願いいたします。
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