<子どもの個性と神経発達症特性>
子どもは一人ひとりの性格や個性を持っていますね。活発で体を動かすのが好きな子、おしゃべりが好きな子、ひとり黙々と遊ぶのが好きな子、やんちゃな子、おとなしい子…。それぞれの個性を持った子どもたちが保育園や幼稚園などで集団生活を始めると、個性と個性のぶつかり合いによって様々な「困ったこと」が起こります。でもこれは子どもの成長にとってとても大切なことで、先生方の仲介や指導によって子どもたちは「友達と仲良く過ごす方法」「集団のルール」を学んでいくのです。
ところが、下表にあるような特徴を強く持っていると、集団に適応していくことが難しくなってしまうことがあります。
【自閉スペクトラム症(ASD)にみられやすい特徴】
〇マイペースな行動が多い 自分のルールにこだわる
〇いつものやり方が変わることを嫌がり怒る・泣く
〇負けることが許されない 一番になりたい
〇相手の気持ちを汲み取ることが難しい
〇特定の音や感触に対して強い拒否やこだわりがある
【注意欠陥多動症(ADHD)にみられやすい特徴】
〇落ち着きがなくじっとしていることが苦手
〇気が散りやすく集中が続かない忘れ物が多い
〇わかっていても約束を守れない
〇欲求を押さえられず、我慢できない
〇物を壊したり、ひとを叩いたりしてしまう
<うちの子はASD/ADHD?>
この表を見ると「うちの子はASD/ADHDなのかしら?」と心配になるかもしれませんが、幼児期の子ど もには少なからず見られる特徴でもあるので、ちょっと当てはまるからと言って神経発達症群と診断されることはありません。ただ、これらの特徴が小学生になっても多く強く残っていると、失敗したり注 意されることを繰り返すことになりがちで、「ボクばっかり怒られる」「またやっちゃった」などの失敗体験の蓄積による自己肯定感(自尊心)の低下につながりかねません。自己肯定感の低下は無気力やあきらめ(内在化)、挑発的・反抗的態度(外在化)として見られるかもしれません。そうなってしまうと子どもの心や行動の修正は難しくなってしまいます。発達支援を幼児期から始めた子と就学後に開 始した子では、集団適応に向けた効果に差があると感じています。
ですので、対人関係や集団行動など に少しでも心配があるお子さんは、できれば中間反抗期(5・6歳~小学3年生頃)になる前、3~4歳 頃から何かしらの手立てを考えることが望ましいでしょう。具体的には子どもの課題に焦点を当てた個別支援で集団適応に必要なスキルを習得し、それを保育園幼稚園などの集団場面で実際に経験していくこと、すなわち個別と集団の併用がより効果的といえます。
<「もう少し様子を見たい」…>
「もう少し様子を見たい」という言葉をよく聞きます。親としての気持ちはよくわかりますが、このことは子どもにとって必ずしもいいこととは限りません。なぜなら、「様子を見ている間にも子どもは発達するが、その発達は必ずしも良い方向に発達するとは限らない」「子どもが見せる困った行動の原因 を十分理解しないまま何とかしようとすると、どうしても「叱ってばかり」になりがちで、それは逆効果になりかねない」からです。我が子の成長に心配や疑問を感じたら、あるいはそのような指摘を受けたら、子どもに関わっている先生などにも協力してもらって、できるだけ間を置かずより良い子育て環 境を用意していくことが大切です。

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